「損切り」は、株取引のための必要経費
長期投資ではない「利益を目的とした株式投資」を行う際に大事なことは、有名企業であるなどというブランド名や株主優待サービスがあるなどの理由で銘柄を選定しないことです。
また、根拠のない予想や希望的観測、そして思い込みは禁物です。
そして、株式投資で一番大事といえるのが、予想が外れた場合の対処の仕方です。
株価が上がることばかり考えず、下がった場合どうするのかを事前に考えておく必要があるということです。
株価というのは上がるか下がるかのどちらかです。
だから、上がるだろうと思って買った銘柄も、予測が外れて下がることがあります。
その時はサッと撤退し、次のチャンスを待つことが大切です。
一般の個人投資家は、損失が出ている時の株の処理がとても下手くそです。
損失処理を考えることを避けようとして、損失を増やしてしまうことがよくあります。
そして、次第に損失に慣れてしまい、その結果、塩漬け株となってしまうのです。
株式投資のことを、競馬や競輪などのギャンブルと同じだという人がいます。
たしかに、上がる銘柄を当てるという意味においては一種のギャンブルといえるでしょう。
しかし、公営ギャンブルの場合は、主催者側が多くの手数料を取るため、参加者への還元率がもともと低くなっています。
これに比べると、株式は売買手数料と税金のみです。
終わりがあって、勝つか負けるかです。
掛けた馬が勝てば儲けることができますが、負ければ掛けた資金は無くなります。
レースの途中で、「この馬調子が悪そうだな」と思っても逃げ出すことはできません。
ところが、株の場合は予測が外れても、その企業がつぶれない限り、資金が減ることはあってもゼロになってしまうことはありません。
いったんある銘柄に投資をしても、その銘柄の調子が良くないと思えば資金を引き揚げて逃げ出すことができます。
そして、予測に反して調子が悪かったときにその銘柄から逃げ出す技術、いわゆる「損切り」という技術が、株式投資で利益を出すためにはとても重要になってくるのです。
株取引で全勝ということはありえません。
だから、株で稼いでいくには、「損切り」が必要なのです。
この「損切り」は、売買手数料などと同じように、株取引のための必要経費なのです。