株式市場大暴落のプロセス
株というものは、後から見ると、あそこで買ってここで売れば大きな利益が取れたのにと、とても簡単に儲けられるような気がします。
でも実際は、ほとんどの投資家は儲けることができず、一握りの投資家だけが儲けているのが現実です。
株価は上昇と下落を繰り返し、高騰と暴落が交互に訪れます。
上昇時期に株式投資を始めた人は、あまりにも株が簡単に思えて「買わないリスク」を感じてしまいます。
逆に、下落時期に株式投資に参入した人は、いくら買っても何を買っても損するばかりで、「株なんか手を出すものじゃない」と思ってしまいます。
でも、この損ばかりしていた人が「空売り」を知ったらどうでしょう。
株価が大きく下落する理由は、大きく二つあります。
ひとつは、ニューヨーク市場の暴落や戦争の勃発・大災害の発生など「ショック安」といわれるもので、外部要因によって引き起こされる暴落です。
このようなショック安と言われるものは、下げ幅が大きくしかも短期間で暴落してしまいますが、反転も早いのが特徴です。
株価が下落するもう一つの理由は、市場の内部要因によるもので、株の買われすぎによって需給バランスが悪化し暴落してしまうというものです。
これは、大きな上昇相場の末期に発生します。
上昇相場では投資家も株を買うことに安心感があり、どんどん資金を投入します。
すると、この資金がさらに株価を押し上げ、株で儲かる人がどんどん増えてきます。
すると、周りの人も「買わないリスク」を感じ次々と株に手を出し始めます。
中には、借金してまで株を購入する人が現れてきます。
このように大きな上昇相場は、株が上がるから買い、買うから株が上がるという循環に入るのです。
しかし、株式購入の「資金」や株を始める「新規参入者」がいつまでも続く訳がありません。
次第に株を買う人が減ってきます。
株を買う人が減ってくると、株価はそれ以上に上昇しなくなります。
天井圏でもみ合いが続き、そのうち新規買いが減り売る人が徐々に増えてきます。
そしてある時突然売りが重なって、株価が下落を始めます。
すると、今度は売るから株が下がる、下がるから株を売るという上昇相場と逆の循環に入り、やがて相場は恐怖とパニックに陥るのです。
これが、需給バランスの悪化がもたらす大暴落のプロセスです。