株価は需要と供給で決まります。
短期の株価の動きは、企業業績や経済状況とは無関係です。
なぜなら、株価は毎日変動しているけれども、企業業績や経済状況の変動が毎日目に見える形で表に現れてくることはありません。
現れてくるとすればテレビや新聞からのニュースや情報です。
企業では、年度決算や半期決算、そして、四半期決算・月次決算などを行います。
これは、一定期間のその企業の成績です。
一般的には、月次決算は公表されることはありません。
企業の年間成績は、上場企業であれば株主総会で報告されたりなどして、事後になると一般投資家の知るところとなります。
これが、年度の途中であれば、「第三四半期の業績は予定通りだった」とか、「下期の決算見通しが上方修正された」などの形で一般投資家の耳に入ってきます。
その他、「工場を建設して増産を予定している」とか「工場を閉鎖して減産体制に入る」、あるいは「来年新製品が発売される」などの情報もよく聞かれます。
これらのニュースや情報が出るたびに株価は動いているでしょうか。
具体的に言うと、情報には良い情報と悪い情報があります。
良い情報としては、「決算見通しが上方修正」「新製品開発」「新工場稼働で増産体制」。
悪い情報としては、「決算見通しが下方修正」「市場からの撤退」「工場閉鎖で減産体制」。
株価の動きに企業業績が関係あるとすれば、良い情報が出たら株価は上がり、悪い情報が出たときは株価が下がるということですが、本当に株価はそのような動きをしているのでしょうか。
日本経済が好調のとき、必ずしも株式市況が好況であるとは限りません。
また、個別企業に目を向けてみても、「決算見通しが上方修正された」、あるいは、「新製品が開発された」というニュースが流れても、必ずしも株価が上昇するとは限りません。
長期的に見ると、経済状況や企業業績と株価は確かに関連し合っています。
しかし、短期的な株価の動きは必ずしも経済状況や企業業績を反映しないのです。
なぜなら、経済状況や企業業績に関する「良いニュース」も「悪いニュース」も、これが一般に知れ渡るころには、すでに株価には反映されてしまっている、いわゆる「織り込み済み」となっているからです。
また、株価はその銘柄を欲しがっている投資家が多ければ上がり、その銘柄を売りたがっている投資家が多ければ株価は下がります。
要するに、株価は需要と供給で決まります。
ある企業についての「ニュース」も、それぞれの投資家が「良い」と考えるか「悪い」と考えるかは、それぞれの投資家の受け取り方によってもその銘柄を「買いたい」のか「売りたい」のかが異なってきます。
これが、経済状況や企業業績と株価の動きは関係がないという理由です。