チャートは投資家の杖
チャート分析はテクニカル分析とも言われ、ファンダメンタルズ分析と並ぶ投資の分析技術です。
チャートを見れば、現在の相場が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのかを判定することができます。
そして、市場の勢いや、株価水準を判断したり、また、チャートの形状で相場の周期性を見ることができます。
チャート分析は、株式投資に実際に携わる投資家たちによって経験則的に行われてきたもので、学術的には完全に無視されている手法です。
ただし、現実の投資の世界での成功者の中には、チャート分析によって成功を得た者が多いのも事実です。
チャート分析は、将来の株価の変動は過去の値動きに大きな影響を受けるという前提に立っていますが、一方、学術的な金融理論では、将来の相場変動は過去の値動きとは一切無関係であるという「マルコフ性」という考え方があります。
チャート分析のもう一つの大事な考え方は、チャートには市場を動かすすべての要因が織り込まれているということであり、その要因とは、ファンダメンタルズの様々な情報や、市場の気分や投資家の心理的な要因などすべてを指しています。
チャート分析をどの程度活用するかは、投資スタイルによって異なってきます。
バフェットのように、相場の流れを読むのではなく企業の長期的価値に着目する投資手法の場合は、チャート分析はあまり意味を持ちません。
一方、相場の流れを捉えるためには、チャート分析は重要なツールとなります。
チャート分析は、現状の市場動向の把握や、過去の値動きを検証のためには非常に有効です。
たとえば、市場に影響を与える「期待」や「信用」という得体の知れない物も、チャート上に痕跡を現すことがあるからです。
市場の動きは、新聞の株式欄や経済欄のコメントなどに載るよりも前に、静かに始まることが多く、チャートにこの市場の変化の兆しが現れてくれば、仮説を立てて投資アイデアを引き出すことができます。
この、投資アイデアを引き出すためにも、チャート分析は有効であるといえます。